
「光回線を引きたいけど、ビス止めはNG」——賃貸にお住まいの方からよく聞く悩みです。管理会社や大家さんに「壁に穴を開ける工事は禁止」と言われ、光回線の導入を諦めていませんか?
実は、ビス止めなしでも光回線を開通させる方法は複数あります。本記事では、既存の配管や両面テープの活用、光コラボの転用・事業者変更まで、ビス止めゼロで光回線を導入する全方法を網羅的に解説します。
この記事でわかること
・ビス止めなしで光回線を導入する6つの方法
・NURO光の両面テープ対応の具体的な依頼方法
・電話用配管・エアコンダクトを活用した引き込み手順
・光コラボの転用・事業者変更で工事自体を不要にする方法
・賃貸で「ビス止め禁止」と言われたときの交渉テクニック
・主要光回線6社のビス止め対応状況の比較
・どうしてもダメならホームルーターという選択肢
光回線はビス止めなしでも開通できる?
結論から言うと、多くのケースでビス止めなしでも光回線は開通できます。ビス止めが発生するのは「引き留め金具の固定」「光キャビネットの設置」「ケーブルクリップの固定」の3箇所ですが、いずれも代替方法が存在します。
特に既存の電話用配管やエアコンダクトが使える住宅では、外壁にケーブルを這わせる必要がないため、ビス止めの大部分が不要になります。さらに、光コンセントがすでに設置されている物件や、光コラボの転用・事業者変更であれば、工事そのものが発生しないケースもあります。
光回線でビス止めが発生する3つの箇所(おさらい)
ビス止めなしの方法を理解するために、まずビス止めが発生する箇所を整理します。1つ目は外壁の引き留め金具で、電柱からのケーブルを固定するため2〜3本のビスが打たれます。2つ目は光キャビネットで、特にNURO光で使用される外壁の接続ボックスに3〜4本のビスが打たれます。3つ目はケーブル固定クリップで、外壁を這わせたケーブルを固定するため4〜6本のビスが使われることがあります。これら3箇所それぞれに対して、ビス止め不要の代替策が存在します。
光回線をビス止めなしで導入する6つの方法
以下の6つの方法を住宅の状況に応じて使い分けることで、ビス止めなしでの光回線導入が実現できます。上から順に対応しやすい方法を並べています。
方法① 電話用配管を利用してビス止め不要にする
最も確実で一般的な方法が、既存の電話用配管を利用する方法です。ほとんどの戸建て(1980年代以降)とマンションには、外壁から室内まで電話線を通すための配管が設置されています。この配管に光ファイバーケーブルを通せば、外壁を這わせる工程がなくなるため、引き留め金具もケーブルクリップもビス止め不要になります。
確認方法は簡単です。室内の電話のモジュラージャック付近の壁を確認し、そこから外壁に配管が通じているかどうかを見ます。NTTの工事担当者も現場で配管の有無を確認してくれますが、事前に自分でチェックしておくと安心です。ただし、配管内がすでに他のケーブルで詰まっている場合や、配管が劣化・破損している場合は使用できないことがあります。
方法② エアコンダクトからの引き込みでビス止め回避
電話用配管が使えない場合の次善策が、エアコンダクト(エアコンの配管穴)を利用する方法です。エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管穴には、わずかな隙間があることが多く、ここに光ファイバーケーブルを通すことで、壁に新たな穴を開けずに引き込みが可能です。
メリットは穴あけもビス止めも不要なことですが、デメリットとしてONU(光回線終端装置)の設置場所がエアコンのある部屋に限定されます。Wi-Fiルーターを接続すれば他の部屋でもインターネットは使えますが、有線接続を希望する部屋とエアコンの部屋が異なる場合は不便になる可能性があります。また、エアコン交換時にケーブルを傷つけないよう注意が必要です。
方法③ 両面テープでビス止めなしにする(NURO光対応)
NURO光では、光キャビネットの固定にビスの代わりに両面テープを使用できるオプションがあります。これにより、光キャビネット設置時の3〜4本のビス止めがゼロになります。申し込み時または工事日程調整の電話で「両面テープでの固定を希望」と明確に伝えてください。
ただし注意点があります。両面テープで代替できるのは光キャビネットのみで、引き留め金具のビス止めには対応していません。引き留め金具のビスも避けたい場合は、配管利用やエアコンダクト利用と組み合わせる必要があります。また、両面テープの固定力はビスより弱いため、強風地域や沿岸部では推奨されない場合があります。経年で粘着力が低下し脱落するリスクも考慮しましょう。
NURO光の両面テープ対応まとめ
・光キャビネットの固定 → 両面テープ対応OK
・引き留め金具の固定 → 両面テープ非対応(ビス止めまたは既存金具流用)
・ケーブルクリップ → 配管利用時は不要
・依頼方法:申し込み時の備考欄 or 工事日程調整の電話で「両面テープ希望」と伝える
方法④ 光コンセントがあればビス止め不要で開通
物件にすでに光コンセント(光アウトレット)が設置されている場合、新たな工事は不要です。光コンセントは過去に光回線が開通していた痕跡で、壁に「光」「光コンセント」と書かれた差し込み口があるかどうかで確認できます。
光コンセントが設置済みの場合は「無派遣工事」となり、NTTから送られてくるONUを自分で光コンセントに接続するだけで開通します。工事担当者が来ないため、ビス止めはもちろん、立ち会いも不要です。工事費も派遣工事より大幅に安くなります(例:フレッツ光系で3,300円程度)。入居前に不動産屋や管理会社に光コンセントの有無を確認しておきましょう。
方法⑤ 光コラボの転用・事業者変更なら工事自体が不要
すでにフレッツ光を利用中の方が光コラボ(ドコモ光、ソフトバンク光、GMOとくとくBB光など)に乗り換える「転用」、または光コラボから別の光コラボに乗り換える「事業者変更」であれば、既存の光回線設備をそのまま利用するため工事自体が発生しません。当然ビス止めも不要です。
転用の場合はNTT東日本(0120-140-202)またはNTT西日本(0120-553-104)に電話して「転用承諾番号」を取得し、乗り換え先の光コラボに申し込みます。事業者変更の場合は、現在契約中の光コラボ事業者から「事業者変更承諾番号」を取得し、新しい事業者に申し込む流れです。いずれも工事不要で、通常1〜2週間で切り替わります。
方法⑥ 光ローゼットを固定せずに利用する方法
光ローゼットは、光ファイバーケーブルの室内側の接続口です。通常は壁にビス止めで固定しますが、固定せずにそのまま壁から垂らした状態で利用することも可能です。見た目はやや不格好ですが、ビス止めを1箇所減らすことができます。
この方法は工事担当者に「光ローゼットは固定しなくていいです」と伝えることで対応してもらえます。ケーブルが引っ張られて断線しないよう、壁際に市販のケーブルクリップ(粘着テープ式)で固定しておくと安全です。
| 方法 | ビス止め | 穴あけ | 工事立ち会い | 条件 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|
| ① 電話用配管利用 | 不要 | 不要 | 必要 | 配管があること | ★★★★★ |
| ② エアコンダクト利用 | 不要 | 不要 | 必要 | ダクトに隙間があること | ★★★★☆ |
| ③ 両面テープ(NURO光) | キャビネットのみ不要 | 不要 | 必要 | NURO光を申込 | ★★★★☆ |
| ④ 光コンセント設置済み | 不要 | 不要 | 不要 | 光コンセントがあること | ★★★★★ |
| ⑤ 転用・事業者変更 | 不要 | 不要 | 不要 | フレッツ光/光コラボ利用中 | ★★★★★ |
| ⑥ 光ローゼット固定しない | 1箇所減らせる | 不要 | 必要 | 担当者に依頼 | ★★★☆☆ |
主要光回線のビス止め対応状況を比較
光回線の事業者によって、ビス止めなしへの対応状況は異なります。主要6社の対応を比較します。
ドコモ光・ソフトバンク光などフレッツ光系のビス止め事情
ドコモ光、ソフトバンク光、GMOとくとくBB光、@nifty光などのフレッツ光系(光コラボ)は、NTT東日本・西日本の設備を使用します。そのため工事もNTTの工事担当者が行い、対応はほぼ共通です。配管利用やエアコンダクト利用を優先し、ビス止めは最後の手段となります。申し込み時に「ビス止め不可」と備考欄に記載すれば、工事担当者が代替方法を検討してくれます。
また、フレッツ光系の大きなメリットとして、光コラボ間の事業者変更であれば工事不要で乗り換えが可能な点があります。すでにフレッツ光や光コラボを利用中なら、ビス止めの心配なく別の事業者に切り替えることができます。
NURO光のビス止めなし対応(両面テープオプション)
NURO光は独自回線を使用しており、宅内工事と屋外工事の2回に分かれるのが特徴です。宅内工事で設置する光キャビネットについては、両面テープでの固定に対応しています。ただし、屋外工事での引き留め金具についてはビス止めが基本です。
完全にビス止めゼロを実現するには、電話用配管が利用できる物件であることが条件です。配管利用+両面テープの組み合わせであれば、NURO光でもビス止めなしでの開通が可能です。
auひかりのビス止め対応
auひかりはKDDI独自の設備を使用する回線です。戸建てプランでは電柱からの引き込みが必要なため、引き留め金具のビス止めが発生する可能性があります。マンションプランでは、すでにKDDI設備が共用部に導入済みの物件であれば、個人の専有部分へのビス止めはほぼ不要です。
auひかりでも配管利用を優先する方針は同じですので、申し込み時に「ビス止め不可」を伝えることが大切です。ただし、NURO光のような両面テープオプションの公式案内はないため、現場判断になる部分が大きいです。
| 光回線 | 回線種別 | 両面テープ対応 | 配管利用優先 | 転用/事業者変更 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ光 | フレッツ光系 | △(現場判断) | ○ | ○ |
| ソフトバンク光 | フレッツ光系 | △(現場判断) | ○ | ○ |
| GMOとくとくBB光 | フレッツ光系 | △(現場判断) | ○ | ○ |
| NURO光 | 独自回線 | ○(公式対応) | ○ | × |
| auひかり | 独自回線 | △(現場判断) | ○ | × |
| ahamo光 | フレッツ光系 | △(現場判断) | ○ | ○ |
賃貸で「ビス止め禁止」と言われたときの対処法
賃貸で管理会社や大家から「ビス止め・穴あけ禁止」と言われても、すぐに諦める必要はありません。適切な交渉と申し込み方法で、ビス止めなしでの開通を実現できる可能性があります。
賃貸でビス止め禁止でも光回線を引く交渉術
管理会社に交渉する際は、以下の3ステップが効果的です。まず、「ビス止めなしで工事できる方法がある」ことを具体的に伝えます。電話用配管やエアコンダクトを利用すれば壁に一切傷をつけずに開通できると説明しましょう。次に、NTTの工事では配管利用を優先し、ビス止めは最終手段であることを伝えます。最後に、「万が一ビス止めが必要と判明した場合は、工事をその場で中止します」と明言すれば、管理会社も許可を出しやすくなります。
やり取りはメールやLINEなど記録に残る方法で行いましょう。「ビス止めなしでの工事を許可する」という文面が残っていれば、退去時のトラブル防止にもなります。
申し込み時に「ビス止め不可」を伝える方法
光回線の申し込みフォームには、ほとんどの事業者で備考欄(自由記入欄)があります。ここに「賃貸物件のため、ビス止め・穴あけ不可。配管利用またはエアコンダクト利用を希望します。代替方法がない場合は工事中止でお願いします。」と明記してください。
さらに、工事日程調整の電話がかかってきた際にも改めて口頭で「ビス止めNGです」と伝えます。この二重の伝達により、工事当日に担当者が事前に代替方法を準備してくれる確率が上がります。
管理会社への交渉メール テンプレート
件名:光回線工事のご相談(○○号室)
○○管理会社 ご担当者様
○○号室の△△です。光回線の開通工事についてご相談させてください。
工事方法を確認したところ、既存の電話用配管またはエアコンダクトを利用することで、壁への穴あけやビス止めをせずに光ファイバーを引き込むことが可能とのことです。
万が一、現場で配管利用ができないと判明した場合は、工事をその場で中止いたします。壁に傷をつける作業は一切行いません。
上記条件での工事実施をご許可いただけますでしょうか。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
ビス止めなしで工事するときの注意点と代替策
ビス止めなしで光回線工事する際の注意点
ビス止めなしの工事にはいくつかの注意点があります。まず、配管やダクトの利用可否は最終的に現場判断になるため、事前に「ビス止めなし確定」とは言い切れません。工事当日に配管が使えないと判明し、工事中止になる可能性もあります。
また、エアコンダクト利用の場合はONUの設置場所がエアコンの部屋に限られます。両面テープ固定は経年劣化で脱落するリスクがあり、定期的な確認が必要です。光ローゼットを壁に固定しない場合は、ケーブルが引っ張られて断線するリスクがあるため、市販の粘着テープ式クリップで養生しておきましょう。
ビス止めが絶対NGならホームルーターも選択肢
すべての方法を検討してもビス止めなしでの光回線導入が難しい場合は、工事不要のホームルーターが代替になります。ホームルーターは4G/5Gの電波を使ってインターネットに接続するため、壁への工事は一切不要です。コンセントに挿すだけで利用を開始できます。
代表的なサービスとして、ドコモのhome 5G、ソフトバンクエアー(SoftBank Air)、WiMAX HOME L13(au/UQ系)があります。光回線と比べると通信速度や安定性では劣りますが、動画視聴やWeb閲覧であれば十分快適に使えるレベルです。月額料金も光回線と大きくは変わりません。
| サービス | 回線 | 最大速度 | 月額目安 | 工事 |
|---|---|---|---|---|
| ドコモ home 5G | 5G/4G | 4.2Gbps | 4,950円 | 不要 |
| ソフトバンクエアー | 5G/4G | 2.1Gbps | 5,368円 | 不要 |
| WiMAX HOME L13 | 5G/4G | 4.2Gbps | 4,818円〜 | 不要 |
⚠ ホームルーターの注意点
ホームルーターは光回線と比較して、通信速度の安定性やPing値(応答速度)で劣ります。オンラインゲームや大容量ファイルのアップロードが多い方は、なるべく光回線の導入を検討してください。
よくある質問(FAQ)
Q. ビス止めなしで工事を依頼して、当日ビスが必要と言われたらどうなりますか?
申し込み時に「ビス止め不可」を伝えていれば、工事担当者は代替方法を検討してくれます。それでもビス止めが必要な場合は、その場で工事を中止できます。中止の場合、工事費は発生しないのが一般的です。
Q. マンションでもビス止めは発生しますか?
マンションタイプの光回線がすでに共用部に導入されていれば、個人の専有部分でのビス止めはほぼ発生しません。光ローゼットの壁固定が唯一の可能性ですが、固定しない選択も可能です。マンションに光回線設備が入っていない場合は、戸建てと同様の個別引き込みが必要になり、ビス止めが発生する可能性があります。
Q. NURO光以外で両面テープ対応している光回線はありますか?
公式に両面テープ対応を明示しているのはNURO光のみです。フレッツ光系(NTT工事)やauひかりでは、両面テープ対応は公式アナウンスされておらず、現場の工事担当者の判断に委ねられます。実際に対応してもらえるケースもありますが、確約はできません。
Q. 光コラボの事業者変更でビス止めが発生することはありますか?
光コラボから光コラボへの事業者変更では、既存の光回線設備をそのまま使用するため、基本的に工事自体が発生しません。したがってビス止めも発生しません。ただし、品目変更(例:マンションタイプから戸建てタイプへの変更)を伴う場合は新規工事が必要になり、ビス止めの可能性があります。
Q. ビス止めなしの工事だと追加費用はかかりますか?
配管利用やエアコンダクト利用でのビス止めなし工事は、標準工事費の範囲内で行われるため追加費用はかかりません。NURO光の両面テープ対応も追加費用はありません。光コンセント設置済みの無派遣工事は、むしろ工事費が大幅に安くなります。
まとめ
この記事のポイント
・光回線はビス止めなしでも導入できるケースが多い
・最も確実な方法は電話用配管の利用(ビス止め・穴あけともに不要)
・エアコンダクトからの引き込みも穴あけ・ビス止め不要で有効
・NURO光は光キャビネットの両面テープ固定に公式対応
・光コンセント設置済みなら無派遣工事で工事自体が不要
・光コラボの転用・事業者変更も工事不要でビス止めゼロ
・賃貸で「ビス止め禁止」と言われても交渉と工法選択で対応可能
・どうしても無理ならホームルーター(home 5G等)が代替策になる
ビス止めがネックで光回線を諦めている方は、まず自宅の電話用配管とエアコンダクトの有無を確認してください。多くの場合、ビス止めなしでの開通は十分に実現可能です。
ビス止め工事の詳しい内容を知りたい方はこちら:
👉 光回線のビス止め工事の内容と壁への影響
光回線の開通工事全体の流れはこちら:
👉 光回線の工事を完全解説|内容・流れ・時間・立ち会いまで
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