
📌 記事のポイント
- 戸建て・マンション別の工事内容と当日の流れがわかる
- 穴あけ・ビス止めが必要な条件と回避方法がわかる
- 工事費の相場と主要7社の最新比較、節約策がわかる
- 賃貸での許可取得手順と退去時の注意点がわかる
- 工事不要で開通できる3つのケースの見分け方がわかる
光回線の工事とは?仕組みと全体像
光回線の工事とは、最寄りの電柱から自宅まで光ファイバーケーブルを引き込み、室内にONU(回線終端装置)を設置してインターネットに接続できる状態にする作業のことです。工事は大きく「屋外工事」と「屋内工事」の2段階に分かれます。
屋外工事では電柱から建物の外壁まで光ファイバーケーブルを架設し、引き留め金具で固定します。屋内工事では外壁から室内へケーブルを引き込み、光コンセントを設置してONUを接続します。ONUは光信号をデジタル信号に変換する装置で、ここからLANケーブルやWi-Fiルーターを経由してパソコンやスマートフォンがインターネットにつながる仕組みです。
光回線が電柱から自宅に届くまでの経路や電柱上の光ケーブルの見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。
戸建ての工事内容と手順
戸建ての光回線工事は、電柱から自宅まで光ファイバーケーブルを直接引き込む作業が中心です。まず最寄りの電柱から外壁まで光ファイバーケーブルを架設し、引き留め金具をビス止めして固定します。次に、屋外から屋内へケーブルを引き込みます。
引き込みには既存の電話用配管を利用するのが最も一般的で、配管がない場合はエアコンのダクトを利用します。いずれも使えない場合に限り、壁に直径約10mmの穴を開けて引き込みます。室内に光ファイバーケーブルが届いたら、光コンセントを設置し、ONUを接続して開通確認を行います。
🔧 戸建て工事の流れ
①電柱からケーブル架設 → ②外壁に金具固定 → ③屋内へ引き込み → ④光コンセント設置 → ⑤ONU接続・開通
💡 引き込み方法の優先順位:電話用配管 > エアコンダクト > 穴あけ
エアコンダクトを使った引き込みの具体的な方法や実例については、以下の記事をご覧ください。
マンション・集合住宅の配線方式の違い
マンションでは電柱からまず建物の共用スペース(MDF室)まで光ファイバーケーブルが引き込まれ、そこから各部屋へ配線されます。この「共用スペースから各部屋まで」の配線方式には3つの種類があり、それぞれ速度と工事内容が異なります。
光配線方式は共用部から各部屋まで光ファイバーで直接接続する方式で、最大1〜10Gbpsの高速通信が可能です。新築マンションではこの方式が主流で、部屋には光コンセントが設置されます。VDSL方式は共用部まで光ファイバー、各部屋までは既存の電話回線を使う方式で、最大速度は100Mbps程度に制限されます。築年数の古いマンションに多い方式です。LAN配線方式は共用部からLANケーブルで接続する方式で、最大100Mbps〜1Gbpsです。
| 配線方式 | 最大速度 | 壁の端子 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 光配線方式 | 1〜10Gbps | 光コンセント | 最も高速。新築マンションの主流 |
| VDSL方式 | 最大100Mbps | モジュラージャック | 築古マンションに多い。速度制限あり |
| LAN配線方式 | 100Mbps〜1Gbps | LANコネクタ | ONU不要。ケーブルを挿すだけ |
自分のマンションがどの方式か判別するには、部屋の壁にある端子の形状を確認してください。光コンセント(「光」「SC」の表示)があれば光配線方式、モジュラージャック(電話線の差込口)があればVDSL方式、LANコネクタがあればLAN配線方式です。
⚠️ VDSL方式の一部廃止について
NTT東西は、すでに光配線方式が併設されている一部の建物で、VDSL/LAN配線方式のサービスを2026年1月31日をもって終了しました。対象建物にお住まいでまだ移行手続きをしていない方は、早急にプロバイダへ連絡してください。2026年5月31日までの申し込みで工事費無料の移行措置が利用できます。
工事の所要時間と当日の流れ
光回線工事の所要時間は、戸建てで1〜2時間、マンションで30分〜1時間が目安です。ただし配管の状態が悪い場合や電柱が遠い場合は延びることがあるため、工事当日は前後に余裕を持ったスケジュールにしておくと安心です。
当日の流れは、まず工事担当者が到着して屋外の状況を確認し、電柱から建物まで光ファイバーケーブルを架設します。次に屋内への引き込み作業を行い、光コンセントの設置とONUの接続を実施。最後に開通テストで正常に通信できることを確認して完了です。工事担当者が設置するのはONUまでで、Wi-Fiルーターの接続やパソコン・スマートフォンの設定は自分で行います。
💡 当日のポイント:家具の移動が必要になることがあるため、ONUを設置したい場所の周辺を整理しておくとスムーズです。また、工事担当者に穴あけ・ビス止めを避けたい旨を最初に伝えておくと代替方法を優先してもらえます。
穴あけ・ビス止めの条件と回避方法
光回線の工事と聞くと「壁に穴を開けられるのでは」と不安になる方が多いですが、実際には穴あけが必要になるケースは限定的です。引き込みには電話用配管やエアコンダクトを利用する場合が大半で、これらが使えない場合にのみ壁に直径約10mmの穴を開けます。
穴あけが必要になる3つの条件
穴あけが必要になるのは、①電話用の配管が存在しない、または詰まっている、②エアコンダクトが設置されていない、または使えない、③サッシや窓の隙間からの引き込みも困難――この3つすべてに該当した場合のみです。最近の新築住宅では引き込み用の配管があらかじめ設置されていることがほとんどのため、穴あけは珍しいケースです。穴を開ける場合は直径約10mmで、防水処理まで施されます。
ビス止めの影響と修復方法
外壁へのビス止めは、光ファイバーケーブルを固定するための引き留め金具に使用されます。戸建ての場合はほぼ必須ですが、ビス穴の直径は約3〜4mmと非常に小さく、退去時や不要になった場合は壁パテ(200〜500円)で埋めれば目立たなくなります。既存の引き留め金具を流用できる場合や、両面テープ対応のケースもあります。
穴あけ・ビス止めなしで工事する方法
穴あけやビス止めを避けたい場合、優先的に検討すべき方法は3つあります。まず電話用配管の利用で、建物にあらかじめ設置された管に光ファイバーを通すため壁を傷つけません。次にエアコンダクトの利用で、室外機への配管穴の隙間に光ファイバー(太さ約2×4mm)を通します。3つ目はすき間配線用の薄型ケーブルで、窓やサッシの隙間から引き込む方法です。工事当日に担当者と相談し、穴あけ・ビス止めを避けたい旨を伝えると代替方法を検討してもらえます。
工事費の相場と主要事業者の比較
光回線の工事費は、住居タイプや事業者によって異なります。一般的な相場は戸建てで19,800〜44,000円、マンションで16,500〜44,000円です。工事担当者が訪問しない無派遣工事の場合は約2,200〜3,300円で済みます。また、土日祝日の工事は多くの事業者で3,300円の追加料金がかかります。
主要7社の工事費比較(2026年3月最新)
| 事業者 | 戸建て工事費 | マンション工事費 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| ドコモ光 | 19,800円 | 16,500円 | 実質無料(dポイント還元) |
| ソフトバンク光 | 31,680円 | 26,400円 | 実質無料(月額割引) |
| auひかり | 41,250円 | 33,000円 | 実質無料(月額割引) |
| NURO光 | 44,000円 | 44,000円 | 実質無料(月額割引) |
| GMOとくとくBB光 | 26,400円 | 25,300円 | 実質無料(月額割引) |
| おてがる光 | 22,000円 | 22,000円 | 実質無料(月額割引) |
| @スマート光 | 22,000円 | 22,000円 | 完全無料 |
⚠️ 「完全無料」と「実質無料」の違い
「完全無料」は工事費そのものが0円のため途中解約でも残債が発生しません。「実質無料」は契約期間(24〜36か月)をかけて毎月工事費相当額が割引される仕組みで、途中解約すると未割引分の残債を一括請求されます。短期利用の可能性がある方は「完全無料」の事業者が安心です。
工事費を節約する3つのポイント
工事費を抑えるには、まず工事費無料キャンペーンを実施中の事業者を選ぶことが最も効果的です。次に、土日祝日を避けて平日に工事日を設定すると追加料金3,300円を節約できます。3つ目として、光コンセントが残っている物件を選べば無派遣工事(約2,200〜3,300円)で開通でき、費用を大幅に抑えられます。
💡 無派遣工事の条件:前の入居者が使っていた光コンセントが残っていれば、NTT局内の遠隔切り替えだけで開通します。壁面に「光」や「SC」と書かれた差込口がないか確認してみましょう。
賃貸物件での工事と許可の取り方
賃貸物件で光回線の工事を行う場合、事前に大家さんまたは管理会社への許可取得が必須です。建物の構造に手を加える可能性があるため、無断で工事を行うと賃貸借契約違反となるおそれがあります。
許可を取るための3つのステップ
ステップ1:工事内容を具体的に把握する。光回線の申し込み後、事業者から工事の概要(穴あけの有無、ビス止めの有無)が通知されるので確認します。多くの場合、既存の配管やエアコンダクトを利用するため、建物へのダメージは最小限です。
ステップ2:大家・管理会社へ連絡する。「工事内容(ビス穴の直径3〜4mm、2〜6本程度)」「費用は全額入居者負担」「退去時は原状回復可能」の3点を伝えると許可が下りやすくなります。電話よりもメールや書面で記録を残すことを推奨します。
ステップ3:マンション共用部の解錠手配。マンションの場合、MDF室(共用設備室)の鍵を工事当日に開けてもらう必要があります。管理人や管理会社へ工事日時を事前に連絡しておきましょう。
事前に確認すべき3つの設備
賃貸物件で光回線を検討する際は、まず室内に光コンセントがあるかを確認してください。前の入居者が使っていた設備が残っていれば、工事不要で開通できる可能性が高く、そもそも許可が不要な場合もあります。次に、マンション共用部に光回線設備(MDF)が導入済みかを管理会社に確認します。最後に、電話用配管やエアコンダクトが使えるかを確認しておくと、穴あけの可否を事前に把握できます。
退去時の撤去工事と原状回復費用
退去時に光回線の撤去が必要かどうかは、大家さんの判断によります。多くの場合、光回線の設備(光コンセント・光ファイバー)をそのまま残す「残置」が認められます。次の入居者もそのまま利用できるためです。ただし、大家さんが撤去を求めた場合は撤去工事が必要です。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| NTT系(フレッツ光・光コラボ)撤去費 | 無料 |
| NURO光 撤去費 | 11,000円 |
| auひかり 撤去費 | 11,000〜31,680円 |
| ビス穴パテ埋め(DIY) | 200〜500円 |
| 業者による壁補修 | 5,000〜10,000円 / 箇所 |
💡 残置のメリット:光回線の設備を残しておくと、物件が「インターネット完備」としてアピールできるため、大家さんにとってもメリットがあります。退去前に相談すると「そのまま残してOK」と言われるケースが増えています。
工事不要で開通できる3つのケースと申し込みから開通までの流れ
すべての光回線契約で工事が必要になるわけではありません。以下の3つのケースに該当すれば、工事担当者の訪問が不要な「無派遣工事」で開通できます。
工事不要になる3つのケース
✅ 工事が不要になる3つのケース
① 光コンセントが設置済み:前の入居者の設備が残っていれば、NTT局内で信号を切り替えるだけで開通。壁面に「光」「SC」と表記された差込口がないか確認してください。
② フレッツ光→光コラボへの転用:同じNTT回線をそのまま使うため、契約先が変わるだけで回線設備はそのまま。
③ 光コラボ同士の事業者変更:例えばドコモ光→ソフトバンク光への乗り換えなど、NTT回線を使い続けるため工事不要。
工事が不要かどうかは申し込み時に回線事業者が判定します。光コンセントの有無がわからない場合は、壁面に「光」や「SC」と書かれた差込口がないか確認するか、管理会社に問い合わせてください。
立ち会いが必要なケースと不要なケース
光回線の工事には、工事担当者が自宅を訪問する「派遣工事」と、NTTの局内で遠隔操作のみを行う「無派遣工事」の2種類があります。派遣工事の場合は契約者本人または家族の立ち会いが必要で、無派遣工事の場合は立ち会い不要です。
立ち会いが必要になるのは、光ファイバーケーブルを新たに引き込む新規開通工事のケースです。立ち会いでは配線ルートの確認や家具の移動が必要になることがあるため、判断ができる方が在宅している必要があります。立ち会い不要になるのは、光コンセント設置済みの場合、転用の場合、事業者変更の場合です。送られてくるONUを自分で接続するだけで開通できます。
申し込みから開通までの期間と準備
光回線の申し込みから開通までには、通常2週間〜1か月の期間がかかります。3〜4月の引っ越しシーズンは申し込みが集中し、2〜3か月待ちになるケースもあるため、利用開始日が決まっている場合は早めに申し込みましょう。
📋 申し込みから開通までの流れ
①回線事業者へ申し込み → ②工事日程の調整 → ③設置場所の準備 → ④工事当日(立ち会い) → ⑤開通・利用開始
通常2週間〜1か月 / 繁忙期(3〜4月)は2〜3か月
事前に準備しておくとスムーズなのは、ONUを設置したい場所の近くに電源コンセントの空きがあること、そしてWi-Fiルーターを事前に用意しておくことです。ONUだけではWi-Fi接続はできないため、無線で使いたい場合はルーターの準備が必須です。
よくある疑問Q&A
Q. 光回線の工事は自分でできますか?
A. できません。光ファイバーケーブルの引き込みには「工事担任者」という国家資格が必要です。無資格での工事は電気通信事業法違反となるため、必ず認可された工事業者に依頼してください。
Q. 土日でも工事できますか?
A. 多くの事業者で対応しています。ただしNTT東西では土日祝日に追加料金(3,300円)がかかる場合があります。
Q. 工事中にインターネットは使えますか?
A. 新規開通の場合は工事完了まで使えません。開通までの間はスマートフォンのテザリングやモバイルWi-Fiルーターの利用を検討してください。
Q. 工事後にやることは?
A. 工事担当者が設置するのはONUまでです。Wi-Fiルーターの接続とパソコン・スマートフォンのWi-Fi設定は自分で行います。ルーター背面のSSIDとパスワードを確認し、端末のWi-Fi設定画面で接続します。
Q. 工事が断られることはありますか?
A. あります。建物の構造上ケーブルを引き込めない場合、電柱が遠すぎる場合、大家さんの許可が得られない場合などが主な理由です。その場合はホームルーター(置くだけWi-Fi)やモバイルWi-Fiが代替手段になります。
Q. マンションのVDSL方式から光配線方式に変更できますか?
A. 建物に光配線方式が併設されていれば変更可能です。NTT東西は一部の対象建物でVDSL/LAN配線方式を2026年1月末に終了しており、対象者は工事費無料で光配線方式へ移行できます(2026年5月31日までの申し込みが条件)。対象外の建物では管理組合やオーナーを通じてNTTへ設備導入を依頼する必要があります。
📝 この記事のまとめ
✅ 光回線の工事は「屋外工事」と「屋内工事」の2段階で行われる
✅ 戸建ては1〜2時間、マンションは30分〜1時間が目安
✅ 引き込みは電話用配管やエアコンダクトが優先。穴あけは最終手段
✅ ビス穴は直径3〜4mmで、パテ埋め200〜500円で修復可能
✅ 工事費相場は戸建て19,800〜44,000円、マンション16,500〜44,000円
✅ 工事費無料キャンペーンを活用すれば初期費用ゼロで始められる
✅ 賃貸は大家・管理会社への事前許可が必須
✅ 光コンセント設置済み・転用・事業者変更なら工事不要
✅ 申し込みから開通まで2週間〜1か月。繁忙期は早めに行動
✅ VDSL方式は一部建物で廃止済み。光配線方式への移行は早めに